Cafe ROSTRO (ロストロ) - 奥渋谷:コントラストの効いた在り方

Cafe ROSTRO

  • Address:〒151-0063 Tokyo, Shibuya, Tomigaya, 1 Chome−14−20 サウスピア 1F
  • TEL:03-5452-1450
  • Business hours:8 AM–8 PM (Tuesday & Wednesday, 8 AM–5:30 PM)
  • Website:https://rostro.jp/

先日、奥渋にあるカフェへ行った。
奥渋谷といえば、いまやイケてるカフェの激戦区。そこにひっそりと佇む一軒の店があった。

店は店内とテラスに分かれていて、入ってすぐ「店内とテラス、どちらにされますか?」と聞かれる。
どうやら、楽しめるメニューも雰囲気もまるで別物らしい。

店内では、バリスタがその場で客の好みや気分を聞き出し、豆をブレンドし、手で挽き、丁寧に一杯を淹れてくれる。

レトロな雰囲気が漂い、カウンターには豆挽き器やサイフォンが並ぶ。まるで喫茶文化の再現のようだ。

一方、テラスではもっとカジュアルに、コーヒーやスイーツを楽しめる。
普通のカフェのように、メニューを見て好きなものを注文するスタイル。

はじめて訪れた私たちにとって、ざっくりとした説明だけでは、違いがあまりイメージできなかった。

コーヒー好きの私たちは、とりあえず「店内で」と言った。

一通り体験してみて思ったのは──

「コントラストは、はっきりしている方が心地よい」ということ。

これは、お店への文句ではない。むしろ、とても素敵な時間だったからこそ、最初にその違いが伝わっていなかったことが少し惜しかったのだ。

たとえば、店内を選ぶとサービスの質も単価も上がる。
なにも知らずに選んだ客からすれば、少し驚いてしまうかもしれない。

だったら、最初から白と黒くらい違うと伝えてくれた方が、両方の魅力が際立って相乗効果ではないか──そう思ったのだ。

この感覚は、人との関係にもよく似ている。

自分の気質や性格が、周囲にとって好ましいかどうかに気を取られることがある。
でも、そんなものはコントロールしきれない。

それよりも、はっきりしているか、わかりやすいかの方がよほど大事だ。

自分にとっても周囲にとっても、その方がずっと楽だし、生きやすい。
曖昧なままより、はっきりしていた方が、お互いにいい距離感をつくれる。

周りが扱いやすいのだ。

コントラストは、衝突ではなく、共鳴を生む。

白と黒があるからこそ、お互いが際立つ。
中間のグレーに濁らせず、輪郭を持って生きていたいものだ。

そんな私は、ほとんどグレーの服しか着ないのだが。

そうね。「わかりやすさ」は、人生を楽に生きる上で大事な要素よね。

自分らしくいることで、そんな自分を好きと言ってくれる人が、周りに来てくれるわ。結果的に、自然体で楽にいられるわよね。

一方で、「こうだから良い」ということは、世の中にはほとんど存在しないのではないかしら、とも考えているの。

今回は、「はっきりすること」の思わぬ副作用も一緒に考えてみたいわ。

「はっきりする」を「自分の好み」で例えてみるわね。

例えば、本ね。今では、電子書籍で読書をする人が増えているけれど、私もその一人だったの。

旅の多い生活だったので、特に日本語の本は手に入らなくって、荷物にもなるので、電子書籍に大変お世話になっていたわ。

これを読んでいるあなたもきっとインターネットで本を注文したことがあるかしら。

購入するときは「おすすめ」で出てくる本や、最初から買う本を決めていることも多いのではないかと思うわ。

けれど、私は本屋での買い物がとても好きだったの。本屋には、圧倒的に偶然性があるのよね。

自分に合わせてくれるおすすめもとても便利なんだけどね、同じ分野の本を何冊か読んでいると、思想が偏ってくることを感じるのよ。

普段興味のないような、自分に全然関係なさそうな本棚の前を歩いていると、「それぞれの人がいろんなことに興味を持っているのねぇ」「私はまだまだ知らないことばかりねぇ」と気づくの。

ふと手に取った宇宙の本から、いつも読んでいる分野とは、また違う気づきや、いつもの分野への考え方すらも揺るがしてもらえるような「偶然の刺激」というものがあると思うわ。

自分の好きなことは好き。

私はこういう人間。

でも、初めて会ったあなたの考え方も好き。

常に新しい。

わかりやすく生きつつ、そんな余白も持っていたい。

あぁ、そんなことを考えていたら、奥渋の大好きな本屋さんへ行きたくなったわ。

あら、なんの話だったかしら。